日経225 ラージの新たな目的とは?

インターネットの利用が一般化するにつれ、ヤフーのような一般的なポータルでは、広告を流すにしてもターゲットとなる顧客層を定めにくいという問題が出てきました。
そこで、ある特定の分野に関連する情報を一力所に集め、テーマ別に構成するポータルが注目されるようになってきたのです。
金融関連のポータルとしては、ヤフー・ファイナンスなどが有名ですが、Eトレードも自社サイトをそうしたサイトと同じような位置づけにしようとしているのです。
金融ポータルを志向するサイトは、もともと検索エンジン、投資情報サービス、金融機関のホームペ九ンなど様々です。
しかし、いずれの場合にも、証券会社のオンライントレードは、最も重要な要素の一つとなっているのです。
ヒューマンタッチなサービスも可能これまで述べてきたように、オンライントレードには様々な機能や情報が満載されており、たいへん便利で使いやすいものとなっています。
しかし、証券取引には、コンピサ・Iタや携帯電話といった機械だけを相手にした無機的な取引には収まりきらない側面があることも否定できません。
インターネットで収集した情報をもとに自己責任で取引をする「自分で投資判断を下せる投資家」であっても、時には判断に迷って、専門家のアドバイスを受けたくなることもあるでしょう。
オンライントレードは、必ずしも万能のツールではありません。
オフラインのサービスと上手に組み合わせて利用することで、本当の実力を発揮するという面も否定できないのです。
証券会社の中には、こうした投資家のニーズにも柔軟に対応できるオンライントレード・サービスを提供している例も少なくありません。
そもそも、オンライントレードに力を入れる証券会社は、いわゆるネット専業の会社であっても、ほとんどの場合電話でも注文を受け付けるなど、インターネット以外のチャネルを完全に無視しているわけではありません。
もちろん、証券会社としては、インターネット以外を徹底的に排除することでコストを下げるという選択肢もとり得ないわけではありません。
かつて、アメリカの格安業者シュアトレードは、顧客からの問い合わせも原則として電子メールでしか受け付けず、電話については、フリーダイヤルを設けないとしていました。
こうした効率化を進めることで、取引一件当たり七・九五ドルという格安手数料を実現したのです。
しかし、この仕組みは投資家の間できわめて不評で、結局、問い合わせ用のフリーダイヤルを設置し、手数料水準も見直さざるを得なくなりました。
マーケティング論などの観点からは、インターネットは、「非対面」という特性を有するチャネルであり、電話による通信販売などと類似していると論じられることがあります。
しかし、証券取引の場合、投資判断に関するある程度のアドバイスやコメントを臨機応変に与えることのできる電話での注文受付は、純粋なインターネットーサービスとは大きく異なるヒューマンタッチなサービスとみなすことができるでしょう。
アメリカでは、オンライントレードに力を入れる格安業者であっても、多くの場合、証券外務員資格を有し、注文の受付や投資アドバイスのできる要員が電話で応対するサービスを、いわばオンライントレードの高級サービスと位置づけて提供しています。
電話応対を効率化するために大規模なコールセンターを建設し、二十四時間体制で通話を受け付けている例も珍しくありません。
コールセンターでの応対は、人間の声を聞くことができ、ある程度の柔軟なサービスが受けられるという点ではヒューマンタッチなものということができますが、電話がかかってきた時点で手の空いているオペレーターが通話を処理するという仕組みをとるため、顧客にとっては、電話をするたびに毎回担当者が変わり、自分のことを理解していないのではないかという不満が残ります。
そこで、アメリカの大手ディスカウントーブローカーの中には、預かり資産の規模や取引回数など一定の条件を満たした得意客に対しては、固定した担当者を配置して、より個別化されたサービスを提供するといったアプローチを試みる例もあります。
わが国の場合も、例えば野村讃券のように固定された担当者が応対する店舗でのサービスとオンライントレードを併用している場合には、顧客は自分の都合で、ヒューマンタッチなサービスと簡便で効率的なインターネット取引とを使い分けることができます。
ふだんは自分だけの判断でオンライントレードで注文を出し、判断に迷った時は、専門のスタッフに相談するといった取引の方法も可能なのです。
オンライントレードの利用がさかんになるにつれ、サービスを提供する証券会社の数も増えています。
わが国でも、インターネットを通じたオンライントレードを行う証券会社の数が二〇〇〇年八月現在、五十五社にも達しており、どのオンライントレードを利用するかという判断も容易ではありません。
そこで、や各種の投資情報サイトでは、各社のオンライントレードを比較する特集を組んだり、ランキングを発表したりしています。
いくつもの証券会社のオンライントレードを試してみることが難しい以上、こうした情報は、投資家にとってなくてはならないものでしょう。
しかし、これらの情報、とりわけランキングなどを利用する場合には、そもそも誰にとっても望ましいオンライントレードなぞ存在しない、という事実を頭に入れておく必要があります。
一口にオンライントレードといっても、証券会社側がどのようなタイプの投資家を主要な顧客ターゲットと考えているかによって、サービス内容や手数料の設定が大きく異なっているからです。
もちろん、こうした点を考慮に入れたランキングを作成しているケースもあります。
例えば、アメリカでのネット関連ビジネスの評価やコンサルティングで実績のあるゴメスーアドバイザーズが最近になってわが国のオンライントレードーサービスを調査し、サービス内容のランク付けを行っています。
総合評価に加えて、四つの顧客タイプ別のランキングが作成されているのが特徴です。
ゴメスは、百以上の基準に基づいて、オンライントレードの個々のサイトを評価しています。
これらの基準は、①機能性・使いやすさ、②安定性と信頼感、③情報量とコンテンツ、④サービスのきめ細かさ、⑤総費用(手数料、サービス価格等)、の五つに分類されます。
この五つの基本的な項目の重要度は、サービスを利用する顧客のタイプによって異なるというのが、顧客タイプ別ランキングの基本的な考え方です。
ゴメスの顧客タイプ別ランキングでは、顧客のタイプを①バイパー・アクティブートレーダー型、②情報重視型、③利便性追求型、④生活設計重視型、の四つに分けています。
すべての投資家が、このいずれかにぴったりと当てはまるというわけではないでしょうが、自分の投資経験の深さやオンライントレードを利用しようとする動機などを改めて考えてみれば、どのタイプに近いかを判断することはそれほど難しくないでしょう。
オンライントレードの利用がわが国よりも一足先に定着したアメリカでは、一日に何回も売買を繰り返す取引頻度の高いバイパー・アクティブートレーダー型の投資家がオンライントレードを通じた売買件数を大幅に押し上げている一方、長期的な観点から投資を行い、分析やプランニングを重視する生活設計重視型の投資家によるオンライントレードの利用が拡大しています。
こうした利用者層の変化に合わせて証券会社側もサービスの重点を見直していくという傾向がみられます。

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